「中国語の発音がよくわからない」「中国語の発音が難しすぎて挫折しそう」「中国語の発音のコツって?」
中国語学習者にとって中国語の「発音」って天敵中の天敵ですよね。僕も中国語を勉強し始めてから7年目になりますが、台湾人に発音を褒められるようになったのは5年目からです。
本記事では、中国語学習をしている方に向けて、なんで中国語の発音は難しいのか、そして発音のコツは何かについて徹底解説しています。
この記事を読めば、今の自分の発音をどう改善すればいいのか、発音のポイントは何か、がよくわかりますので、ぜひ最後までご覧ください!
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中国語の発音はなんで難しい?

この記事を読んでいる方の多くは、中国語の発音を苦にしている方だと思います。
漠然と中国語の発音について解説してもしょうがないので、「日本人にとってなぜ中国語の発音は難しいのか」について前置きしておきたいと思います。理由としてあげられるのは主に以下の3つです。
- 母音と子音の数が多い
- 声調の概念
- 練習時間が少なくなりがち
母音と子音の数が多い
日本語の母音は「i:イ」「e:エ」「a:ア」「o:オ」「u:ウ」の5種類で構成されています。ですが、中国語の場合、単母音、二重母音、三重母音、そり舌母音など、母音だけで日本語よりもはるかに多くの種類があります。
子音も同様で、日本語には子音が16種類、対して中国語の子音は全部で21種類存在します。
単語は母音と子音の組み合わせでできていますから、中国語は日本語よりも覚えなければいけない発音が多いというわけです。
中国語の母音・子音については、以下の記事を参考にしてみてください。




声調の概念
中国語には、日本語にない「声調」の概念があります。これは後ほど詳しく説明しますが、この「声調」を間違って発音してしまうと全く違う意味の言葉として相手に伝わってしまいます。
例) 妈(mā:母親)麻(má:痺れる)马(mǎ:うま)骂(mà:叱る)
練習時間が少なくなりがち
日本人は漢字が読めますので、初めて中国語を学習する方でもパッと見て意味がなんとなくわかってしまいます。そうなると省かれてしまうのが、「発音する」という行為です。
日本の英語教育もそうですが、文章読解や正しい文法を理解することを優先してしまって、「実際に喋る」ことに重点を置かれていないことが多いです。
そうしたクセがついてしまっていますから、中国語学習の際もついこの「発音する」という行為も省いてしまいがちになってしまうのです。
中国語の発音でありがちな間違い


中国語学習者の方、とりわけ初心者の方が中国語の発音でやってしまいがちなミスについて本章では解説していきます。自分が同じミスをしていないかぜひ確認してみてください。
- ピンインをローマ字読みしている
- 母音の発音が弱い
ピンインをローマ字読みしている
中国語初心者の方で1番多いミスが、ピンインをローマ字読みすることです。大前提として、ピンインとは発音記号であって、ローマ字読みするための表記ではないのです。
特に、母音の「i」や「u」の音が絡んだ単語などにそのミスが多くみられます。
例1)元(yuán)の場合、「ユアン」ではなく「ユエン」と発音
例2)「zi」「ci」「si」を「ジ」「チ」「シ」と発音
(上記ではわかりやすくするためカタカナ表記で示していますが、中国語学習ではカタカナ表記をあまりお勧めしていません)
母音の発音が弱い
ある程度中国語に慣れてきた方が陥りがちなのが、母音の発音が弱いというパターンです。例えば、日本語の「pa」と中国語の「pa」は発音で重点を置くべき部分が違います。
日本語の場合は、「パー」と少し伸ばして、母音を薄く発音しますが、中国語では「パァ」といった具合に母音までしっかりと発音します。
ピンインはしっかり理解できているのになぜか伝わらない、という方はこのパターンに陥っているのかもしれません。
以上の2点は、中国語の発音の特徴をしっかりと理解していないために起きている場合がほとんどです。上述したように、中国語と日本語の発音は大きく違うため、まずは中国語の発音1つ1つの特徴をしっかりと理解することが大事になってきます。
中国語の発音の特徴「声調」


前述しましたが、中国語には「声調」という概念が存在します。中国語学習して日が長い方はわかるかと思いますが、「声調」を表記する時には「5度標記法」というのがよく用いられます。
「5度表記法」は、声調の高さや昇降なんかを具体的に表しているもので、声調の練習によく用いられます。


上述したように、中国語の声調の種類をしっかり理解することが発音を鍛える第一歩になるので、まずは中国語の特徴である「声調」についてしっかり理解しましょう。
中国語の声調の種類
中国語の発音「1声」


中国語の「1声」は、1番高い音を保ちつつ発音します。前述した5度標記表でいえば、「5→5」で表されます。
中国語の発音「2声」


中国語の「2声」は、中音域から1声と同じ音域まで短く一気に突き上げる感じで発音します。「5度標記法」で言えば、「3→5」で表されます。
中国語の発音「3声」


中国語の「3声」は、1番低い音をキープしながら発音します。「5度標記法」で言えば「2→1→4」で表されます。
中国語の発音「4声」


中国語の「4声」は、1番高い音から短く一気に低い音へ突き落とす感じで発音します。「5度標記法」で言えば「5→1」で表されます。
中国語の発音のコツ「鼻母音」


中国語の発音には代表的な3つの特徴があります。それが、「鼻母音」「そり舌音」「有気音・無気音」です。
本章では、まず初めに、「鼻母音」にフォーカスして発音のコツを解説していこうと思います。
「鼻母音」とは、ピンイン表記で、「n」と「ng」で終わる母音のことを言います。
中国語で「n」を伴う鼻母音
「案内」という単語を発音してみてください。その時の、「ん」の発音が中国語でいう「n」を伴う鼻母音に非常に似ています。他にも、「感動」や「かんな」などの「ん」も同じ音にあたります。
「ん」と発音する時には、舌先が上前歯の裏側に付いているのがわかるかと思います。中国語の「n」の鼻母音の発音でも同様で、この感覚を意識しながら発音しましょう。
中国語で「ng」を伴う鼻母音
「案外」という単語を発音してみてください。その時の「ん」の発音が中国語の「ng」の鼻母音の発音とほぼ同じになります。「変化」や「見学」の「ん」の音も同じ音に該当します。
「案外」の「ん」の場合、「案内」の「ん」の時とは違い、舌の付け根の部分が喉を塞ぐような動きをするのがわかるかと思います。中国語の「ng」の鼻母音の発音の際もこういった動きを意識するようにしてみてください。



中国語の発音のコツ「そり舌音」


2つ目に解説するのが「そり舌音」です。「そり舌音」とは、日本語にはない発音で、その名の通り、発音の時に舌を反る動きをする発音です。
そり舌音の練習の際に注意するポイントは、「舌がどこにどのように当たったらどのような音になるか」を意識することです。
中国語のそり舌音には、「zh」,「ch」,「sh」,「r」の4つがあります。最初のうちは、後ろに「i」の音をつけると発音しやすいため、以下では、「zhi」,「chi」,「shi」,「ri」の発音を例にとって解説していきます。
- 日本語で「た」を連続して発音し、その発音のときに舌が当たる場所を覚えます。
- 舌が当たる場所に今度は、舌先だけを当てて「た」の音をゆっくり発音。この時、「た」の音ではなく、息だけのような発音になれば正解です。このフローでは、舌先が触れる位置と、その感覚がつかめればOKです。
- 2のフローをマスターしたら、今度は発音する音を「タ」から「ジー」「チー」「シー」「リー」に変更して発音してみましょう。
以上の練習フローを繰り返すことで、「舌がどこにどのように当たったらどのような音になるか」という感覚を鍛えることができます。
「そり舌音」はマスターするまでに根気がいる発音でもあるので最初は焦らずじっくりと練習しましょう。
中国語の発音のコツ「有気音・無気音」


最後に解説するのが、「有気音」と「無気音」です。序章で少し話題に出しましたが、「有気音」と「無気音」とは、中国語の子音にみられる特徴です。
「有気音」と「無気音」の違いを簡単に言えば、「バッ」や「ボッ」のように、短く破裂するような音があるかないかです。
中国語の子音の中で、「有気音」と「無気音」の区別があるのは以下の12個です。
無気音 | 「b」,「d」,「g」,「j」,「zh」,「z」 |
---|---|
有気音 | 「p」,「t」,「k」,「q」,「ch」,「c」 |
「有気音・無気音」が大事な理由
日本人にとっては、「有気音・無気音」はどうでもいいと捉えられがちですが、実はネイティブは有気音か無気音かをしっかり聞き分けています。そのため、破裂音が非常に重要な要素になってきます。
例えば、泼(pō)は子音が「p」なのでしっかりと破裂音を発音しなければいけません。その音が不十分だとネイティブには玻(bō)と聞こえてしまうというわけです。
「有気音」をしっかり発音できれば、この部分は問題ありません。「有気音の発音は勢いよく」これをしっかりと頭に入れて反復練習しましょう。
中国語の発音のコツ「まとめ」


以上、今回は中国語の発音のコツについて解説させていただきました。
中国語の発音の練習の際は、音よりも舌がどこに当たっているか、口の形がどうなっているかを重視して練習するようにしましょう。また、恥ずかしがらずに少しオーバーに発音することも大事です。
一説によれば、中国人が会話の時に大きな声を出すのは、小さい声だと細かい発音が聞き取りづらいからだとも言われているんです!
今回レクチャーさせていただいた「声調」そして、「鼻母音」「そり舌音」「有気音と無気音」は中国語の発音で最も苦労する部分です。僕の周りには、これらの発音ができなくて中国語の勉強をやめていった友人も数多くいます。
中国語の発音の基礎になる部分なので、焦らずに、じっくりと時間をかけて習得していただければと思います。