「中国語の『就』ってどんだけ意味あるの。。」「中国語の『就』の使い方がよくわからない」「この『就』はどうやって訳せばいいの?」
中国語の学習をしている皆さんにとって「就」ってめちゃくちゃ厄介な存在ですよね。
「頻出の単語なのにうまいこと訳せない」なんて経験があるのではないでしょうか?「就」の使い方や訳し方で悩みを抱えている方は非常に多いと思います。
ですが、安心してください。本記事では、中国語学習歴7年、台湾に語学留学経験ありの筆者が、ややこしい「就」の使い方について、1つづつ丁寧に解説をしています。
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中国語の「就」の使い方は4種類

中国語の教科書や参考書では、「就」の用法はピックアップされた数個しか説明されていない場合がほとんどです。ですが、会話や文章の中では、実に多くの用法で「就」が使われています。
多くの中国語学習者が混乱してしまいがちな「就」の使い方ですが、大きく分けると4つに分類することができます。
- 時間副詞
- 関連副詞
- 範囲副詞
- 語気副詞
「時間副詞」や「関連副詞」と聞いても具体的な意味がイメージできないかと思いますので、使い方の意味別に、解説をしていきたいと思います。
中国語の「就」の使い方「時間副詞」

まずはじめに解説するのは、「就」の「時間副詞」としての使い方です。
「時間副詞」とは、時間の状態を表す副詞のことで、意味としては、「すぐに〜」「〜してすぐ」「もうすでに〜」の3つがあります。
「就」の意味①「すぐに〜」
例)我就去,稍等一下(訳:すぐに伺いますので少々お待ちください)
この場合の「就」は、話し手の行動が短時間で起きるときに使います。上の例文では、「私」が「行くという動作」を「すぐに」行うと捉えることができますよね。
「就」の意味②「〜してすぐ」
例)他一敲门,就跑掉了(訳:彼はノックするとすぐに逃げていった)
この「就」は2つ以上の動作を接続した上で、後の行動がすぐ起こったということを表します。上の例文でも、「ノック」という行為と、「逃げる」という行為を「就」で接続しているのがわかると思います。
「就」の意味③「もうすでに〜」
例)他三岁就学好中文了(訳:彼は3歳で(すでに)中国語をマスターした)
この「就」は、過去もしくは、現在に起こった事柄に対して、話し手が一般的な見解よりも「早い」と感じた場合に使われます。
上の例文では、「3歳なのにもうマスターした」という事実に対して、「普通そんなに早くマスターできないよね?」という話し手の驚きが感じ取れると思います。
中国語の「就」の使い方「関連副詞」

2つ目に解説するのは、「関連副詞」としての「就」の使い方です。
「関連副詞」とは、物事の関連性を表す副詞で、因果関係、仮定条件などのことをいいます。意味としては「〜なので」「もし〜なら」「〜さえすれば」の3つがあります。
「就」の意味④「〜なので」
例)因为他没事,所以我就放心了(訳:彼に何事もなかったので僕は安心した)
この「就」は、前後の因果関係をつなぐ意味で使われます。上の例で言えば、「何事もなかった」という理由と、「安心した」という結果を繋いでいますよね。
「就」の意味⑤「(もし)〜ならば」
例)如果下雨,我就不去了(訳:もし雨が降るなら僕は行かない)
この「就」は、「雨が降るなら」という仮定を受けて、「それならば〜だ」と、仮定の応答として使われています。
この「就」は「〜ならば」という意味を担っているので、省略してしまうと文として不自然な形になってしまします。
「就」の意味⑥「〜さえすれば」
例)只要有你在,我们就赢了(訳:君さえいれば僕らは勝てる)
この「就」は、「只要~(〜さえすれば)」の後に置かれた前提条件の応答として「只要」とセットで使われます。上の例で言えば、「君さえいれば」という前提条件に対して、「勝つ」という結果で応答していますよね。
中国語の「就」の使い方「範囲副詞」

3つ目に解説するのは、「範囲副詞」としての「就」の使い方です。
「範囲副詞」とは、人や物、時間などの範囲を指す副詞のことで、数が多いか少ないか、もしくは長いか短いかなどを表します。この「範囲副詞」としての「就」には、「ただ〜だけ」「〜も(ある)」という2つの意味があります。
「就」の意味⑦「ただ〜だけ」
例)他们都是台湾人,就我是日本人(彼らは皆台湾人、僕だけが日本人だ)
この「就」は、「只有(〜だけ)」と同じ意味で使われます。上の例文でも、「僕だけ」という数の少なさを表しているのがわかるかと思います。
「就」の意味⑧「〜も(ある)」
例)不用那么多,有两个就够了(訳:そんなにいらない、2個もあれば十分)
この「就」は数が多いことを表しています。上の例の「2個あれば十分」という表現は、「2個もあるから大丈夫」と言い換えられますよね。
中国語の「就」の使い方「語気副詞」

最後に解説するのは、「語気副詞」としての「就」の使い方です。
「語気副詞」とは、その名の通り、「語気」を強調する副詞で、物事の原因や、事実なんかを強く訴えたいときに使います。
「〜だ!」という事実の強調をしたり、「〜みたいだ!」のように、比喩表現の強調をする2つの意味があります。
「就」の意味⑨「〜だ!」(事実の強調)
例)那里就是老师的家(あそこが先生の家だ!)
この「就」は、話し相手に対して伝えたい事実を強調するときに使います。上の例の「就」も、「あそこ」と「先生の家」を繋ぎながら強調しています。
もちろん「那里是老师的家」でも文として間違っていません。ですが、この場合は、「あそこが先生の家です」と、教科書的な平坦な意味になってしまいます。
「就」の意味⑩「〜みたいだ!」(比喩表現の強調)
例)他就像机器人一样默默的工作(彼は機械みたいに黙々と仕事をする)
この「就」は、比喩表現を強調する役割を持っています。上の例でも、ただ「像(〜みたいだ)」というのではなく、「就」をつけて「就像」とすることで、より比喩表現を強調しています。
中国語の「就」の使い方「まとめ」
いかがでしたでしょうか?本記事では、中国語の「就」の使い方や意味について解説させていただきました。以下に本記事の重要点を軽くまとめさせていただきますね。
- 「就」の使い方は「時間副詞」「関連副詞」「範囲副詞」「語気副詞」の4つに分けられる
- 中国語の「就」は全部で10個の意味がある
- 「すぐに〜」
- 「〜してすぐ」
- 「もうすでに〜」
- 「〜なので」
- 「(もし)〜ならば」
- 「〜さえすれば」
- 「ただ〜だけ」
- 「〜も(ある)」
- 「〜だ!」
- 「〜みたいだ!」
この記事で「就」に対するぼやっとしたイメージが少しでもなくなれば幸いです。「就」の使い方は一朝一夕でマスターできるようなものではないので、この記事を何度も見返して復習してください。
