「中国語の比較表現って何種類あるの?」「中国語の比較表現ってどうやって使うの?」
「〜より〜だ」「〜と比べて〜だ」などの比較表現は日本語の文章や会話でよく使いますよね。頻出と言ってもい比較表現ですが、中国語ではどのように言えばいいのでしょうか?
今回は、中国語学習歴7年、台湾No1大学に語学留学経験ありの筆者が、中国語の比較表現について、例文付きでわかりやすく解説させていただきます。
比較表現の「肯定」「強調」「否定」「疑問」の4つのパートに分けて解説していくので、部分的に勉強したい方は目次からお目当ての見出しに飛んでみてください。
[chat face=”cropped-Ryucha_sama.png” name=”りゅうちゃ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]中国語初心者の方は、ぜひ最後までしっかり読んで、中国語の比較表現をマスターしちゃってください![/chat]
Contents
中国語の比較表現「肯定」
まず最初に解説していくのは、中国語の比較表現の肯定形です。少し文法チックな言い方ですが、簡単に言えば「〜は〜より〜だ」の意味をとる文章です。
[box05 title=”比較表現の肯定形”]
- 「A+比+B+形容詞」
- 「A+比+B+形容詞+数量詞」
- 「比起A来+B+比较+形容詞」
- 「A+動詞+得+比+B+更/还+形容詞」
[/box05]
ただし、中国語で比較表現を使う場合、「很(hěn)」「非常(fēi cháng)」などの程度副詞は使えないので注意が必要です。
比較表現の肯定文「A+比+B+形容詞」
例)我比他帅(私は彼よりかっこいい)
この場合は、「BよりAの方が『形容詞』だ」という最も基礎的な比較表現を表します。
比較表現の肯定文「A+比+B+形容詞+数量詞」
例)我比他高5公分(私は彼より(身長が)5cm高い)
比較の文章で、「比(bǐ)」の後に、重さや長さ、お金、年齢差など、具体的に比較が可能な数量を持ってくることで、「BよりAの方が『数量』『形容詞』だ」という意味を表します。
比較表現の肯定文「比起A来+B+比较+形容詞」
例)比起他来,我比较帅(彼と比べたら私の方がかっこいい)
この場合は、「Aに比べてBの方がより『形容詞』だ」という意味になります。
「Aと比べて」を先頭に持ってきてトピックにすることで、「Aと」比べるということを強調しています。
また介詞の「跟(gēn)」を使って、「跟A比起来~」と書き換えることもできます。
比較表現の肯定文「A+動詞+得+比+B+更+形容詞」
例)他跳舞跳得比我更好(彼は私より踊るのがうまい)
この場合は、「AはBより『動詞』するのが『形容詞』だ」という、行為の程度を比較する意味になります。
比較表現と程度補語の合わせ技のようなもので、「得」のあとの比較文全体が程度補語になっています。
[chat face=”cropped-Ryucha_sama.png” name=”りゅうちゃ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]会話でよく使うのでしっかり覚えおいてくださいね!程度補語については以下の記事を参考にしてください![/chat]
https://ryu-cha.com/chugokugo-teidohogo/
https://ryu-cha.com/chugokugo-youtaihogo/
[chat face=”cropped-Ryucha_sama.png” name=”りゅうちゃ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]この章で紹介した4つの比較表現の使い方や意味はほとんど同じなので、どれを使って比較を表しても大丈夫です!程度副詞が使えないことにだけは注意してください![/chat]
中国語の比較表現「比較の強調」
次に解説していくのは、比較表現の強調です。「強調」というと若干語弊があるかもしれませんが、要するに、「どの程度『形容詞』なのか」をどうやって表すかということです。
比較表現を強調する場合、形容詞の前後に単語を加えます。基本的な表現の仕方は以下の4種類です。
[box05 title=”比較表現の強調”]
- 「A+比+B+更+形容詞」
- 「A+比+B+形容詞+一点(儿)」
- 「A+比+B+形容詞+多了」
- 「A+比+B+形容詞+得多」
[/box05]
比較表現の強調「A+比+B+更+形容詞」
例)我比他更帅(僕は彼よりずっとかっこいい)
この場合は、「AはBよりずっと『形容詞』」という意味を表します。先ほど、比較表現では「很(hěn)」「非常(fēi cháng)」などの程度副詞は使えないと解説しました。
もし、程度の差が非常にあることを強調したい場合は、この「更(gèng)」を形容詞の前において、強調しましょう。
[chat face=”cropped-Ryucha_sama.png” name=”りゅうちゃ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]「更」は「さらに」「もっと」という意味を持っています![/chat]
比較表現の強調「A+比+B+形容詞+一点(儿)」
例)这盘菜比那个少一点(この皿の料理はあっちの皿よりもちょっと少ない)
この場合は、「AはBよりちょっと『形容詞』だ」という意味になります。
「儿」はアルカと言って、発音してもしなくてもいい音です。
[chat face=”cropped-Ryucha_sama.png” name=”りゅうちゃ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]主に中国の方が使う音ですね!台湾の人は9割9分使わないです(笑)[/chat]
比較表現の強調「A+比+B+形容詞+多了」
例)这个商品比那个贵多了(この商品はあれよりもっと高い)
この場合は、「AはBよりはるかに『形容詞』だ」という意味になります。
この「多了」は程度補語のひとつで、動詞や形容詞の程度が甚だしいことを表す単語です。
[chat face=”cropped-Ryucha_sama.png” name=”りゅうちゃ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]詳しくは以下の程度補語の記事を参考にしてみてください![/chat]
https://ryu-cha.com/chugokugo-teidohogo/
比較表現の強調「A+比+B+形容詞+得多」
例)这支球杆比那家店的贵得多(このゴルフクラブはあの店のよりずっと高い)
この場合も、「〜多了」と同じで、「AはBよりはるかに『形容詞』だ」という意味になります。
中国語の比較表現「否定」
さて、ここまでの解説で中国語の比較表現の肯定系と強調の仕方がわかっていただけたかと思います。
この章では、比較表現の否定形について解説していきます。
比較表現の否定形は主に2種類存在していて、若干ニュアンスの違いはありますが、どちらも「〜より〜ではない」という意味を表します。
[box05 title=”比較表現の否定形”]
- 「A+不+比+B+形容詞」
- 「A+没有+B+(这么/那么)形容詞」
[/box05]
比較表現の否定文「A+不+比+B+形容詞」
例)我不比他帅(私は彼ほどかっこ良くはない)
この場合は、「AはBより『形容詞』でない」という意味を表します。
比較表現の否定文「A+没有+B+(这么/那么)形容詞」
例)他没有我这么吵(彼は私ほどうるさくない)
この場合は、「AはBほど『形容詞』ではない」という意味を表します。
这么(zhè me)那么(nà me)は、「こんなに」「あんなに」と言った意味を表します。
文法的にはなくても大丈夫ですが、「没」+「这么/那么」で、「そんなに〜というわけではない」という婉曲表現になるので会話ではよく使われます。
中国語の比較表現の否定形は、以上の2つを頭に入れておけば問題ありません。実際に会話で良く使うのは2個目の「A+没有+B+(这么/那么)形容詞」の形です。
[chat face=”cropped-Ryucha_sama.png” name=”りゅうちゃ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]余裕がない人は2個目の形だけ覚えておきましょう![/chat]
中国語の比較表現「疑問」
最後に、比較表現の疑問形について解説していきます。比較表現の場合、疑問形を作りたい時は、文末に「吗(ma)」をおけばOKです。
もしくは、「どちらがどれくらい高いか」のように、対象の比較をしたい場合は、「A跟B,哪一个+比较+『形容詞』」の形にします。
[box05 title=”比較表現の疑問形”]
- 「A+比+B+形容詞+吗?」
- 「A跟B,哪一个+比较+『形容詞』」
[/box05]
比較表現の疑問文「A+比+B+形容詞+吗?」
例)这个比那个贵吗?(これってあれより高い?)
例)我做得比他好吗?(僕って彼よりもうまい?)
例)我没有他那么笨吗?(僕って彼ほど馬鹿じゃない?)
上の例のように、比較表現の肯定文の後ろに「吗」をつけるだけで疑問文にすることができます。
比較表現の疑問文「A跟B,哪一个+比较+『形容詞』」
例)工作还是我,哪一个比较重要!?(仕事とあたし、どっちが重要なの!?)
比較するものを先頭に持ってくることで、比較対象を強調できることは先ほどお伝えしました。この場合も同様で、比較対象を明確にしています。
「哪一个(nǎ yī gè)」は「どっちが」を意味する疑問詞、「比较(bǐ jiào)」は「比較的『形容詞』だ」という意味を表すので、このような言い方が可能です。
[chat face=”cropped-Ryucha_sama.png” name=”りゅうちゃ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]「はい」か「いいえ」で答えられる疑問形は文末に「吗」、そうでない場合は2個目の形を取るということですね![/chat]
中国語の比較表現「まとめ」
以上、今回は中国語の比較表現について解説させていただきました。
比較文は日本語と同じく会話の際によく使います。今回は比較表現の肯定・否定・強調・疑問の4つに分けて基礎的な部分を解説しました。
以下に今回解説した内容をまとめておくので、復習の参考にしてみてください。
[box03 title=”本記事の重要点”]
比較表現の肯定形
- 「A+比+B+形容詞」
- 「A+比+B+形容詞+数量詞」
- 「比起A来+B+比较+形容詞」
- 「A+動詞+得+比+B+更/还+形容詞」
比較表現の強調
- 「A+比+B+更+形容詞」
- 「A+比+B+形容詞+一点(儿)」
- 「A+比+B+形容詞+多了」
- 「A+比+B+形容詞+得多」
比較表現の否定形
- 「A+不+比+B+形容詞」
- 「A+没有+B+(这么/那么)形容詞」
比較表現の疑問形
- 「A+比+B+形容詞+吗?」
- 「A跟B,哪一个+比较+『形容詞』」
[/box03]
[chat face=”cropped-Ryucha_sama.png” name=”りゅうちゃ” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=”maru”]今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!一緒に中国語の勉強頑張っていきましょう![/chat]