「中国語の『要』って、文章でよく見るけどどういう意味なの?」「『要』の使い方がわからない!」「『要』って何個意味があるの?」
「要」は中国語の中でも、場面や状況によって意味を変える厄介者です。「要」の訳し方で悩まされた経験がある方も多いのではないでしょうか?
今回は、中国語の「要」の意味や使い方を、中国語学習歴7年、台湾に語学留学経験ありの筆者が、初心者でもわかりやすように例文付きで1つづつ解説しています。
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中国語の「要」は4種類

まず、中国語の「要」で表される意味を理解する上で、中国語の「要」にどのような文法的な使い方があるのかを理解しておくことが重要です。
中国語の「要」は、文法上、全部で4つの使い方があります。
- 動詞
- 助動詞
- 副詞
- 連詞
上記の4つの違いをしっかり学習すれば、「要」の意味をしっかり理解した上で、会話や作文に活かすことができます。
次章からは、文法用語だけでなく、意味ごとに例文も交えて解説していきます。
中国語の「要」の意味①動詞

まずはじめに解説するのが、動詞としての「要」の意味です。動詞としての「要」には、主に3つの意味があります。
- 「〜(が)欲しい」
- 「〜(費用・時間)かかる」
- 「〜(を)もらう」
動詞の「要」の意味「〜(が)欲しい」
例)我要这个(これが欲しい)
この場合の「要」は、話し手の物欲を表しています。ですので、「要」の後ろには名詞が置かれます。
上の例でも、「要」の後に「这个(これ)」という名詞が置かれていますよね。
例)我不用这个(これはいらない)
反対に、「いらない」という場合は、「不要」ではなく「不用」といいます。
動詞の「要」の意味「〜(費用・時間)かかる」
例1)从这里到我家要十分钟(ここから家まで10分かかる)
この場合の「要」は、時間や費用がどのくらい必要かを表しています。ですので、この場合の「要」の後ろには、時間を表す単語が置かれます。
例2)从这里到我家用不了十分钟(ここから私の家まで10分もかからない)
反対に、「〜もかからない」つまり、否定を表す場合は、「不要」ではなく「用不了」という可能補語を使います。
動詞の「要」の意味「〜(を)もらう」
例1)我跟他要了这本书(彼からこの本をもらった)
この場合の「要」は、「〜(を)もらう」という意味で使われます。
例2)我没跟他要这本书(彼からこの本をもらわなかった)
反対に「もらっていない」という否定形を表す場合は、通常の動詞と同じく「不」「没」を「要」の前におきます。
中国語の「要」の意味②助動詞

中国語の「要」の2つ目の使い方は、助動詞としての使い方です。助動詞としての「要」には、主に4つの意味があります。
- 「〜したい」
- 「〜(する)だろう」
- 「〜はずだ」
- 「〜(する)べきだ」
助動詞の「要」の意味「〜したい」
例)我要吃烧肉(私は焼肉が食べたい)
この場合の、「要」は「〜したい」という話し手の行動上の欲求を表しています。ですので、「要」の後ろには動詞が置かれます。
もし仮に、上の例と同じニュアンスで、「〜したくない」と表す場合は、「不要」ではなく「不想」を使います。「不要」としてしまうと、かなり強い否定を表すため、上の例を否定文にする場合は、ふさわしくありません。
「想」は、ぼやっと考えていることや、実現可能性は低いが「〜したい」と思っている時に使います。対して、「要」はその行動をすることがほぼ決まっている、あるいは「想」よりも意志が強いことを表すときに使います。
助動詞の「要」の意味「〜(する)だろう」
例)今年八月,他要去台湾留学(今年の八月、台湾に留学に行く予定だ)
この場合の「要」は、「〜だろう」という、話し手にとって確実性の高い未来を表しています。
上の例の場合、「留学に行く」という行為は、「今年の八月」という話し手にとって近い未来に起こるとわかります。「確実性の高い未来」であると判断できるので、「要」が使えます。
また、上の例を否定形に変える場合は、「不要」ではなく「不打算」を使います。
助動詞の「要」の意味「〜はずだ」
例)如果你迟到,他一定要骂你(もし遅刻したら彼は君を叱るはずだ)
この場合の「要」は、「〜するはずだ」という話し手の予測・推測を表しています。
上の例を否定文にする場合は、「不要」ではなく「不会」を使います。「不要」は強い否定や拒否を表すので、ここではふさわしくありません。
助動詞の「要」の意味「〜(する)べきだ」
例)小孩子要早点睡(子供は早く寝るべきだ)
この場合の「要」は、「〜(する)べきだ」という自分の主張を表します。
上の例を否定形にする場合は、「要」の前に「不」をつけて「不要」とします。
中国語の「要」の意味③副詞

中国語の「要」の3つ目の使い方は、副詞としての使い方です。「要」の副詞的な意味は、動詞や助動詞の場合と違い、「もうすぐ〜する」という意味だけです。
副詞の「要」の意味「もうすぐ〜する」
例)快要回来了(もうすぐ帰ってくる)
この場合の「要」は、「もうすぐ〜する」という、直近の未来の変化を表します。
上の例で見ると、「回来(帰ってくる)」という動作が直近の未来で起こるとわかります。
「もうすぐ〜する」の3つの言い方
また、「要」の副詞的な意味である「もうすぐ〜する」には、全部で3種類の言い方があります。
- 「要」+動詞+「了」
- 「快要」+動詞+「了」
- 「就要」+動詞+「了」
これらは、厳密に言えば若干ニュアンスが違いますが、同じものとして使って問題ありません。ただし、文末に「直近の未来の変化」を表す「了」をつけ忘れないよう注意してください。

中国語の「要」の意味④連詞


中国語の「要」の4つ目の使い方は、「連詞」としての使い方です。「連詞」の「要」は、仮定を表す「仮に〜」という意味を持ちます。
連詞の「要」の意味「仮に〜」
例)你要出去,先把房间收拾好才去(出かけるなら先に部屋を綺麗にしなさい)
この場合の「要」は、「もし〜」という話し手の仮定条件を表します。
上の例で言えば、「出去(出かける)」が「仮定の行動」となり、そのあとの文章が「その行動を実現するための条件」になっています。
中国語の「要」の疑問文


最後に、中国語の「要」の疑問文の作り方について解説します。
中国語の「要」で疑問文を作る場合は、以下の例のように「要」を反復させるか、文末に「吗」をつけます。
例)我要这个(私はこれが欲しい)
→你要这个吗?
→你要不要这个?
このとき、「要」の反復と文末の「吗」を同時に使ってはいけません。必ず、どちらか一つを使うようにしましょう。
中国語の「要」の意味「まとめ」
以上、今回は中国語の「要」の意味や使い方について解説させていただきました。
中国語の「要」は簡単な文章でよく使う単語でありながら、実は「就」や「才」と同じくらい意味を持っているということがわかっていただけたかと思います。
最後に今回の内容を軽くまとめさせていただきます。まだ「要」の意味や使い方を覚えきれていないという方は、繰り返し記事を読んで復習してみてください。
- 中国語の「要」は「動詞」「助動詞」「副詞」「連詞」の4種類
- 助動詞の「要」はその行動をすることがほぼ決まっている、あるいは「想」よりも意志が強いことを表すために使う
- 「要」を疑問文にするときは、「要不要」か「要〜吗」の形にする