「中国語の勉強でシャドーイングって有効なの?」「中国語の効率的なシャドーイングのやり方って?」
本記事では、上記のような中国語におけるシャドーイングに関する疑問やお悩みにお答えしていきます。
本記事を最後まで読んでいただくことで、シャドーイングとは何か、また中国語学習におけるシャドーイングの有効性や方法について知ることができます。
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Contents
中国語のシャドーイングって?

シャドーイングとは、「聞く・読む・発音する」を一度に鍛えることができる学習法のことです。繰り返し行うことで、リスニング力、リーディング力、正しい発音が身に付きます。
簡単に説明すると、「音源を辿りながら発音の真似をする」のが、シャドーイングです。影のように音をたどっていくから「Shadow(影)ing」というわけです。
意識していなくても実は皆さんも、身近なところでシャドーイングを行なっている場面が多くあります。もっとも多いケースは、歌を覚えるときです。好きな歌を覚えるときには、歌詞を覚えたり、歌詞の後に口ずさんだりするはずです。
シャドーイングとは、上記のような要領で行う学習法です。
中国語でシャドーイングが有効な理由

次に本章では、中国語学習においてシャドーイングが有効な理由について解説していきます。
結論から言うと、シャドーイングが中国語学習において有効なのは、中国語では発音が命だからです。
中国語には「4声+軽声」という声調の概念があります。つまり同じピンインを持っていたとしても、声調が違うと全く違う単語として捕らえられてしまうわけです。
シャドーイングを行うことによって、この発音の基礎をしっかりと脳内に記憶することができます。また、脳内にしっかり記憶されることで、中国語を聞いたときに脳内で言語変換をせずに理解できるようになるという効果も見込めます。
- 正しい発音が身につく
- 脳内言語変換をせずに言葉が理解できるようになる
中国語学習におけるシャドーイングのやり方

前章の内容で、中国語学習においてシャドーイングが有効であると理解していただけたかと思います。本章では、中国語学習におけるシャドーイングの具体的な方法をご紹介していきます。
シャドーイングする上でよく発音を真似しながら、同時に音源の意味を全て理解しようとする人がいますが、それは逆効果です。
中国語学習におけるシャドーイングでは、発音を真似する段階と、音源の意味を理解する段階に分けて練習しましょう。
その練習方法が、プロソディーシャドーイングとコンテンツシャドーイングです。
- プロソディーシャドーイング・・・発音のみにフォーカスして行う
- コンテンツシャドーイング・・・音源全体の意味を理解しながら行う
これをそれぞれ行うことでシャドーイングとしての効果を発揮します。
プロソディーシャドーイング
プロソディーシャドーイングでは、音声・音源の完全なコピーを目指します。単語ごとの発音だけでなく、単語を繋いだ時の発音変化などもコピーできるよう、練習しましょう。
音源の意味はわからなくて大丈夫なので、とにかく発音部分に耳を傾けましょう。前述したように、英語と違い、中国語は発音がとても重要な言語なので、慣れないうちは繰り返しこのプロソディーシャドーイングに取り組むようにしてください。
コンテンツシャドーイング
コンテンツシャドーイングでは、音源を完全に理解することをゴールにします。
プロソディーシャドーイングがしっかりできていれば、発音に意識を傾けなくとも自然と正しい発音ができるようになっています。ですので、コンテンツシャドーイングでは音源の意味に意識を傾けるように心がけてください。
中国語のシャドーイング「NG例」

中国語学習におけるシャドーイングのやり方について理解していただけたところで、本章ではシャドーイングでやってしまいがちなNG例を2つご紹介します。
- 文法・単語の基礎が全くない状態で音源を聴く
- 「暗記」のおかげでシャドーイングできている状態
文法・単語の基礎が全くない状態で音源を聴く
1つ目は文法・単語の基礎が全くない状態で音源を聴くことです。プロソディーシャドーイングの段階では問題ないのですが、コンテンツシャドーイングになったとき、格段に伸びる速度が落ちてしまいます。
中国語学習をしていると「リスニングとシャドーイングだけしていれば能力は伸びる」という声をよく聴きますが、それは間違いです。基礎ができていなければ、シャドーイングを行なっても意味がないので、文法・単語の勉強も並行して行いましょう。
「暗記」のおかげでシャドーイングできている状態
2つ目は、「暗記」のおかげでシャドーイングできている状態です。シャドーイングの本質は、「しっかりと音を理解できているから自分でも発音できる」ことです。
ですので、暗記によって「耳で音を理解する」という段階を省いてしまうと、シャドーイングを行い意味自体がなくなってしまうのです。
シャドーイングを行なっている際に音源に追いついてしまったり、無意識に音源の文章を思い出そうとしてしまっていたら、要注意のサインです。
中国語のシャドーイングでおすすめ教材

最後に、本章では中国語学習にシャドーイングを取り入れようと考えている方に向けて、オススメの教材を紹介したいと思います。
本章では、中国語初心者の方、そして文法や単語の知識はあるけど発音が苦手な中級レベルの方にフォーカスしてお話しします。
中国語初心者
中国語初心者の方は、まず文法や単語の知識を身につけましょう。
NG例の紹介でも述べたように、基礎ができていない段階でシャドーイングを行なってもあまり効果がありません。
目安として、5〜6語以内で構成されている短い文章をしっかり理解できるようになったら、少しずつシャドーイングを始めてみましょう。
それができてきたら、以下に短いフレーズを丁寧に発音しているシャドーイングのオススメの動画を載せておきますので、参考にしながらシャドーイングを行なってみてください。
発音が苦手な中級レベルの方
文法や単語の知識はある程度あるけれど、発音が難しく改善が難しいという方には、単語が簡単でやや長めの動画をお勧めします。
下記の動画を参考にしてみてください。
短いシャドーイングに慣れてきたら
上記の動画でのシャドーイングに慣れてきたら以下の動画のシャドーイングにも挑戦してみてください。最初は等倍ではなく、0.5倍速や0.75倍速で流すようにしましょう。
機械音源の無機質な音の連続だけではなく、実際の会話ではどういった抑揚がつけられているか、どんなトーンなのかがよくわかるため、非常におすすめです。
ただし、どの動画においても必ずプロソディーシャドーイングを行なってからコンテンツシャドーイングを行うようにしてください。
中国語学習におけるシャドーイング「まとめ」
以上、本記事では、中国語学習におけるシャドーイングについて解説させていただきました。本記事を最後まで読んでいただいた方には、中国語学習においてシャドーイングがいかに効果的かおわかりいただけたと思います。
本記事で紹介させていただいた勉強法も、ご自身の今の中国語レベルに合わせて実践していただけると幸いです。
最後に本記事の内容を以下に軽くまとめます。
発音が命の中国語において、シャドーイングは非常に有効な学習手段である。また、シャドーイングのやり方は以下の通りである。
- プロソディーシャドーイング
- コンテンツシャドーイング